アルピーヌ V6 ターボ
ALPINE V6 TURBO



1991年登録のアルピーヌ V6 ターボ。(V6ターボは1990年4月まで製造されました。)
長野まで見に行って、16年経ったとは思えない、とてもよいコンディションだったので購入しました。
この車は1990年製造らしい。色はパールホワイトと言われているが、1989年まで製造された真珠の虹色ではなく、白い凍結した虹色(フランス語直訳なのでちょっと変か)で白というよりベージュに近い色です。

ボディはFRP製で、資料によるとプラスチック類240kgのうち、ポリエステル125kg(ボディ全体とフロントフード、ドア)、ポリウレタン25kg(バンパーとフロントフェンダー)、SMC 22kg(ルーフと床)、残りはエンジンフード(金属をはさんだFRP)と燃料タンク、内装などのプラスチックとなっていますので、ポリエステルとSMCの合計147kgとエンジンフードがFRPです。
SMCを除くFRPの樹脂は、バイエルとアルピーヌが共同開発した、硬化時間の短い Leguval という不飽和ポリエステルを使っていて、骨材は一般的なガラスクロスやマットと言ったものではなく、一見すると布団綿のような感じのもの(グラスウール原綿?)が使われています。(成型時に圧縮されるので適度な繊維の密度になるのでしょう)
FRP製造時にはエポキシ樹脂型を使って圧縮成形、不要部分はウォータージェット切断ロボットでカットするなど、精度の高い部品が作られていました。

ついでですが、A610ではバンパーがR-RIM成型に、フロントフェンダーが熱可塑性ポリエステルエラストマーになるなど、素材の種類が増えて素材好きにはうらやましいものになります。


2009年の写真と、


エンジンルームです。


新車の時に日本で付けられていたカーステレオを取り外し、カーナビをつけました。
ギアボックスに取り付けられたセンサーの配線がコンソールを経てメーターパネルまできているのですが、この部分にはセンサー駆動用の1Vp-p 200kHzの信号が流れていて、メーターパネル内の検出回路で車速信号に変換しているため、そのままではナビの車速信号として使うことはできません。そこで、レーザーセンサーと検出用パターンを用意して、自前の車速パルスを作ってみました。
レーザーセンサーです。
反射式で最大400mmまで検出できます。
オプテックス・エフエー製。アンプ内蔵で取り付けが簡単、なんと言っても他社レーザーセンサーよりすごく安いのです。
ドライブシャフトに白黒の検出パターンを貼り付け、車体のフレームにレーザーセンサーを取り付けます。
タイヤ1回転当たり8パルス、黒の幅は8mm弱、最高速で走っても(そんなことしないけど)パルス幅は1mSぐらいとして、センサーの応答速度250μSに対して十分余裕を持たせます。(後で黒の幅が13mmのパターンに交換しました。)

レーザーセンサーの検出部分は汚れに弱いので、定期的に掃除が必要です。水がかかるようなところではないのですが、雨の日は誤動作するかもしれません。(まあ、雨の日は乗らないので良いのです)




運転席横のパネルを何度か取り外したり、つけたりしていたら、プラスチックにひびが入ってぼろぼろと崩れてきました。
加水分解するようなプラスチックではないと思うし、助手席側はなんとも無いので、最初から製造不良のようです。
崩れてくるのは下半分なので、ひびをABS用接着剤で接着、欠けた部分はプラリペアでうめてから、紫外線硬化FRPプリプレグシート(サンパッチシート)で裏打ちしました。
丈夫になりすぎて取り付け難くなってしまいました。

中央の写真の白いものは発泡ポリエチレン、オリジナルのウレタンフォームは経年変化でぼろぼろだったので取り替えました。

車速センサーやイモビライザーの取り付けと並行して、ヒーター吹き出し口のウレタンフォームをEPDM製に変えたり、電気配線をチェックして痛んだケーブルを補修、配線をまとめてあるテープを新品に替えたりし、分岐タップもできるだけ排除します。
(分解しなくても手が入る範囲だけです)

後からつけたケーブルはなるべくきれいにまとめたいのですが、なかなかうまくいきませんね。



シート(運転席)の革が傷んでいました。
皮の表面がこすれて薄くなり、しわができて、部分的に表面がはげている所もあります。
クリーナーで掃除したところ(上の写真)、

「染めQ」を何度も薄く塗ってみたり、塩化ビニル塗料で傷が埋まらないかなどいろいろ試したけど、しわと薄くなった革にはあまり効果がなかった。
東急ハンズで「スカフカバークリーム」という擦れ、傷の補修クリームを見つけたので、何度か指ですり込んでみるとなかなか良い感じ、使うときの革の温度などコツがあるようですが、しわがかなり隠れました。
さらに塩化ビニル塗料をつや消しにして、エアブラシでスプレーして、全体のトーンを合わせ、皮の表面を保護します。
内装色はブラックサテンとなっていて、ツヤのある仕上げのようですので、レザークリームで少し艶出しして仕上げました。


エアーインテークのプラスチック部品にひびが入ったので、ひびを補修して2液ウレタン塗料で塗装しました。
黒、硬化剤、フラットベースにメディウムで調色して、スプレーガンの使い方で何とか元のプラスチックに近い色とつやになりました。

特殊な耐候性プラスチックを除いて、無塗装で使っていれば、紫外線で劣化してひびが入ったりするのは仕方が無いですね。塗装しましたのでプラスチックのままよりずっと長く持ってくれると思います。


エンジンオイル、トランスミッションオイル、ブレーキフルード、LLCと液体類を総入れ替えです。
今回使用するのは、
YACCO GALAXIE 15W-50
YACCO BVX1000 75W90
ビリオン スーパーブレーキフルード
LLCはルノー指定のELF
LLCを希釈するのに工業用精製水(カトウケミカル)を使用しています。

オイル交換は近くのレンタルピットを利用、LLCの交換は園芸用の噴霧器を利用して交換しました。
園芸用の噴霧器はLLCの交換に十分な圧力を得られる上、簡単に作業できます。


実はこの後、エンジンとラジエター間の冷却水パイプにピンホールが見つかって、いずれはこのパイプを交換しなければなりません。


LLCが漏れていました。
タービン冷却用のホースに付いている放熱器のゴムホース接続部分です。外してみるとLLCの成分が結晶化して、びっしり付いていました。
結晶を取り除いて、ぴかぴかになるまで磨いてからホースを接続しました。

LLC漏れの原因はホースバンドの締付け不足のようです。ホースバンドのねじの位置が、とんでもない角度になっていました。何も考えずに締付けを始めたらねじが変な位置に行ってしまって、きちんと締められなかったみたい。
隣には締付け不足のホースバンドがもうひとつ。ううっ。



スピードメータの動作不良に備えて車速センサーのコネクタ(LLCリザーブタンクの下にあります)をエレクトロニッククリーナーで掃除して、接点改質剤ナノカーボンを塗布しました。
ナノカーボンは説明書によると、接触面積を増やし接触抵抗を減らすとあり、接触不良も起こりにくくなるようです。

車速センサーはケーブルが3本なので、アンプ内蔵の近接センサーを使っていると思ったのですが、オシロスコープで調べたところ、配線には1Vp-p 200kHzの信号が流れていました。アンプ分離型近接センサーになっていて、発信回路、検出回路などはメーターパネル内に配置されているようです。

センサーとメーターパネル間はシールドケーブルが使用されていて、それなりに気を使った設計になっていると思います。エンジンルームとコンソールを結ぶケーブルは、ル・マンの製造に合わせて設計変更がされているようで、1990年製造の車は問題が起こりにくいのかも知れません。






最後まで掃除できずに薄汚れていた、ヘッドライトカバーの内側を掃除しました。

ウェザーストリップとガソリン注入口のゴムカバーを取り外し、トランクの底板を左側から持ち上げて外します。

ヘッドライトユニットを固定しているねじを外して、右側のヘッドライトユニットを外します。左側のヘッドライトユニットは燃料タンクとの間隔がせまくて外せないので、センターにずらして隙間から手を入れて掃除します。
(2枚目の写真の中央にボディ色番号のシールが見えます)

結構きれいになったと思います。


内側の黄色いランプ(フォグではなく、ハイビームの時点灯します)の配線に2Ωの抵抗が入っていました。輸入後に取り付けた様で、ハイビームのときの明るさ調整用でしょうか。55Wのバルブを付けているのですが抵抗のおかげで20W強の消費電力しかありません。明るさは半分も無く1/3ぐらいかもしれません。
外側のH4ハイビーム側60W+黄色フィルター付きH1 55Wなら、最近のHIDほど明るくないと思い、抵抗を外してしまいました。

思った以上に明るいし、黄色が目立ちます。車検とかちょっと心配です。



チャコールキャニスターが2個!

チャコールキャニスターが2個付いています。
整備マニュアルには上の写真のもの(リザーブタンクの後方)は記載が無く、下の写真のもの(リザーブタンクの下)の解説があります。
しかし、下の写真のキャニスターは配管がつながれてなく、使用されていません。
上のキャニスターは配管がつながれていて使用される様になっているのですが、私の車の場合は燃料タンクへの配管のTジョイントが壊れていました。
ちょっとガソリン臭いのは、これが原因だったのですね。配管をつながなければいけません。ゴムホースも劣化していて、交換が必要です。
上のキャニスターは輸入後に取り付けられたもののようです。せっかくオリジナルが付いているので、そちらを使用しようと、サービスマニュアルを見ていたら、電磁バルブの入り口と出口がバイパスされていたり、不思議な配管になっていています。
パーツリストと見比べていたら、ホースにトラップが入っていて流れをコントロールしていることがわかりました。
後付キャニスターの配管にはトラップが無かったので、トラップを製作してゴムホースに入れました。

作業後は余計なものが無くなってすっきり。右リアコンビネーションランプのサービスホールにアクセスできるようになりました。


キーをACCからONの位置に移動させるとき、一瞬ACC電源がOFFになってしまいます。
ナビが再起動を繰り返すので、あまり良い事ではないと思い、小型のバッテリーを用意してACC電源がOFFになる対策と、エンジンをスタートする間もナビに電源を供給することにしました。

追加したバッテリーから電流が逆に流れないようにするのと、設定した時間バッテリーから電源を供給するリレーを駆動するため、パワーMOS-FETを使ったコントローラーを製作しました。
逆流防止にダイオードを使うのに比べ、パワーMOS-FETは内部抵抗が小さいので、電圧降下が数十mV以下となり、消費電力も少ないので、熱対策も簡単で済みます。
ただ、パワーMOS-FETを駆動するために、オペアンプとバッテリーの電圧を基準に±5V〜±15Vの電源が必要になります。
リレー用の遅延回路は特別なことをせず、CRの組み合わせでACC電源OFF後一定時間FETをONにしています。

簡単な回路で済みましたので、プリント基板上にDC-DCコンバータも搭載し、ケースが大きめでしたので、リレーもケース内に収めました。
FETは60A、リレーは30Aまで流せるのですが、電線が細いため、10A程度が最大電流となります。
念のため追加したバッテリーの+端子付近にヒューズを入れておきます。




コンソールのオーディオ取り付け用のプラスチックのフレームの裏にアルミのLアングルを接着して補強。最上段は1DINユニットを取り付けようとすると、左上のメーター部分に当たってしまい、使いづらいのでフレームを上下逆にして使用しています。
時計は最初についていたものが、四角いディジタル時計で、プラスチック製の安っぽい感じの物でしたので取り外し、腕時計のバンドをはずして、ちょうど入る様にABS板を加工して取り付けました。

上の画像はLipのMACH2000

下の画像はUniform Waresの102

夜間は左上からLEDで照明をしています。




シフトレバーの右の目立つ位置にシガーライターがあります。この時代の車としては当たり前かもしれないのですが、使わないものがこんな目立つ位置に有って、なんだか悔しいのでちょっと目隠しをしました。
こんな部品を用意して、Aマークを透明樹脂に封入、組み立てて、シガーライターのプラグの代わりにはめ込みました。
金属部品は日本プレート精工(株)さんの個人向けサイトで注文して、製作してもらいました。ステンレスの削り出し、さすがプロと言う出来栄えです。

イモビライザーの状態表示用LEDを、高輝度LEDに変えて、シガーライターの中に入れ、イモビライザー動作中は中央が赤く光るようにしました。
光る部分の面積が大きく高輝度LEDですので、夜間はすごく目立つのですが、昼間は面積の大きさと、直射日光が当たる位置が災いして、光っていることがほとんどわからないときもあります。


ハイビームのとき点灯する内側の黄色のライトは光量を調整しないと、車検に通らないそうです。
元通り抵抗をつけるのもいやなので、デューティ比50%のパルス駆動と、100%出力を切替える回路を作りました。
抵抗では約13Wの損失が発生し、熱になっていたのですが、この回路なら0.1W程度の損失で済みます。

今回の回路はPICを使いましたので、ボリュームを使って車内から出力を可変にするなど、いろいろ考えられるのですが、車検の時しか暗くしないと思い、スイッチで切替えることにしました。
プログラムの書き換えでいろいろ応用できそうです。

基板の大きさは25mm×30mm、ユニバーサル基板を使うのが好きではないので、プリント基板を使っています。


カーナビのバック信号はバックランプから取って、室内まで持ってこないといけないので、入力していなかったのですが、回路図を調べていたら、バックランプの回路は他の回路と独立で、ヒューズから専用の線が引いてあることがわかりました。
そこで、大き目のリードスイッチにポリウレタン線を巻いて、電流リレーを作りました。
0.7〜0.8AぐらいでリードスイッチがONになります。
この後、熱収縮チューブをかぶせて出来上がり。
ヒューズボックスから出ている線の途中にこれをつければ、カーナビにバック信号を入力できます。


TDC(クランク角)センサー

何かと評判の悪いルノーのTDCセンサーですが、PRVエンジンのインジェクションマニュアルを見ていて、単なる磁気ピックアップコイルだと思われます。
最初は近接センサーだと思っていたのですが、フライホイール外周に66歯のギアがあり、そのうち3箇所が2歯ずつ欠けているものを、磁気的に検出しています。
FA用に使われている発振回路を使った近接センサーの応答周波数は最大1kHzぐらい、TDCセンサーはエンジン回転数が最大6000rpmとして6000÷60×66=6600、必要な応答周波数は6.6kHzとなりますので、近接センサーでは不可能です。

信頼性を高めるには、センサー・CPU間のケーブルのシールドをしっかりやることぐらいしかありません。途中にあるコネクタを金属製のシールド可能なものに交換すればノイズ対策になるかも。フェライトコアをつけるのも良いかもしれません。

2歯ずつ欠けているところを検出して上死点を判断することは、自動車のエンジンとしてはごく普通に使われているようですね。

ホール素子を使ったセンサーは、 ネットで検索するとAllegro MicroSystemsのもので検出回路まで一体になったセンサー単体と、TDKのギアトゥースセンサーで自動車用として+150℃まで使用可能なものがあるのですが、TDKのものは部品として完成していますので、こちらを使った方が良さそうに思います。いずれにしろ、取り付け部分にアダプタを作らなければいけません。
さらに、ホール素子のセンサーに変えるには、信号レベルが変わってしまうのでCPU基板の一部を改造しないといけないでしょう。
今のところ正常に動いていますので、このセンサーが壊れたときかクラッチ交換が必要になった時にでも考えて見ましょう。
(車速センサーもスピードメーター内の回路を改造すれば、TDKのセンサーが使えそうです。)


TDCセンサーのコネクタ部分につけたフェライトコア。
効果があると思えるのは気のせい?。
インジェクター、イグニッションコイルなどにもフェライトコアをつけました。
EMSよりEMIに重点を置いて、TDCセンサーはともかく高周波成分を含むノックセンサーなどにはつけない方が良いみたいです。


コンソールのインジェクションワーニングランプが時々点灯するときは、どこか接触不良が起こっている可能性があります。
長期間1度も外されたことがないコネクタが内部で接触不良を起こすことがあるようです。
私の車の場合、アイドリングも不安定になっていましたので、イグニッションコイルのコネクタを外し、エレクトリッククリーナで掃除したところ、快調になりました。

インジェクションワーニングランプが激しく点滅するのは、ダイアグのコード出力がそのままランプの点滅になっているからですね。


ABCペダルの付近を掃除しようとカーペットをめくったら、カーペットの裏のウレタンフォームがボロボロになっていました。
耐久性を考えて、EPDMのスポンジに張替え。
EPDMはポリウレタンと違い合成ゴムですから、触った感じがずいぶん違いますが、水分、紫外線に強くウレタンフォームよりずっと長持ちしてくれると思います。
ただ、水分を含むと乾きにくいので、カビに気をつけなければいけません。


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